藍青色

いつかの昔、書いた詩を、
PCのなか整理をしてたら見つけたよ。

青ざめた空にひと房 浮かんだ雲が
この僕の存在のように 霞んでしまう


いつも笑顔でいるのは とっても辛くて
こころにひっそり影を落とした想いと
戦いながら人は生きているのかなあ
そして君は今日も笑顔でいるのかなあ


明日には明日のための 台本があって
棒読みで乗り切れるなら それでもいいな


いつも笑顔でいるのは 可笑しい気がする
涙がぽろぽろ頬を濡らしてしまう日も
与えられた時間の中にはあるのかなあ
そして君も部屋で泣き顔伏せるのかなあ




躓いてばかりで 傷だらけの子供みたい
好きな歌を口ずさみながら今日も生きてる
本当は余裕なんてどこにもないけれど
君が僕を見上げるから 手を差し出すんだ
細い指を絡めたら どきどきするんだろう
細い指を絡めたら 足りない物はないだろう




青ざめた空にひとすじ 飛行機雲が
この僕を追い越すように のびていった


いつも笑顔でいるのは とっても辛くて
こころにひっそり影を落とした想いと
戦いながら君は生きているのかなあ
そして僕は今日も笑顔でいれるかなあ


読み返すと、もう今の僕の考えにそぐわない文章が多いので、「詩」を書くという行為自体続けてないのが現状だ。これはその最後に作った詩だった。何考えて作ったんだろうか、今でもよく分からない。




付き合いで酒を飲んでいた時のこと、
「・・・そう、それで妻が帝王切開する事になって〜」
なんて僕は娘がうまれた時の話をしていたんだ。
大量の血、冷たい指。当時の状況は切迫していた。
最悪、母子ともに死ぬかもしれなかった。
今はそんな事もなく二人とも元気で過ごしているけれど、


『おまえ深刻な話してても顔がにやけてるよなぁ?』
ふと、先輩が言った。
済んだ話だから、深刻な顔をする必要はないかも知れないが
僕はいつだってそうだ。
何を話していても、どこかで笑おうとしてしまう。
無理に、笑おうとしてしまう。
笑わなければコミュニケーションが取れないような、そんな気さえするほどだ。


そしてそう言われたのは一度だけじゃない。




"僕は今日も笑顔でいれるかなあ"




僕は笑顔で居なきゃいけない必要なんて本当はないのに、
そうであることが、最善で最良の事だとばかり思っていた。


笑顔はとっても大事な事だ。
笑っていればとりあえずそれで幸せなんだと思っていた。


僕の心はいつしか磨り減り、ろくな考えも持たないようになってしまったのか何かを思いつく事も、考える事もなくなり、ただ直感だけを頼りに過ごしている。とてつもない行き詰まり感におびえながら。






これを読んだ皆、楽しい時に笑い、悲しい時は泣いていますか?




僕のように、何もないのに笑ってしまえるようになったら、
きっと大事な何かを、失くしているのかも知れません。